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A´ あとがき

日本人は風鈴の音に※“涼”を感じるこができる。
目で観ないで耳で観る。

我々が音に風の姿を観ることができるのも,想像力あっての為せる業ではないでしょうか。
まさにこれは,想像力を生かした生活の知恵です。

かのレオナルド・ダ・ビンチは才能を目覚めさせ各種の趣向を思いつかせる手法として
壁の中のシミを眺めさせ,さまざまな想像をさせたそうです。

ふと辺りを見渡せば,我々の目の前に広がる創造の産物の数々も
これまたすべて,想像力あってのものではないでしょうか。
行き着くところ,そんな力と上手く付き合い,
使いこなすことが,生きるための知恵として必要だと感じるのは私だけでしょうか?

突然ですが,梅干を食べているところを想像してみて下さい。
どうですか?

「すっぱい!」と思った瞬間,口の中に唾液が溜まってきませんか!?
と,こんな感じに,目に見えないその存在に意外と素直に反応するものです。(笑)
そんな自分の自由に出来る“目に見えない世界”は我々一人一人の中に存在します。

“木はその実によって知られる”
(ルカによる福音書より)

良い実を結ぶ“悪い想像”はない。悪い実を結ぶ“良い想像”も,これまたないと思います。

“ Tasting&Imagination”
“Imagination&Tasting”

“Good Taste”な実をつけるために身近なところから,う・ま・く,想像してみませんか。

2003年 7月 テイスター

[あとがき]より
涼の異体字
※その音の風に涼を感じ、且つそれで以て涼風を想像する。公簿上で特に利用がみられる涼の異体文字で、風偏のリョウ と示す通字は、その字のごとく、そんな内面世界を一目で表わすアイコンのようでしかたがない。(『千字文異体字類』参照)

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